【NFT詐欺】OpenSeaで価格をすり替える詐欺被害が多発 ― 日本人投資家1.5ETH被害

  • 2021/10/24 14:43
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今回は、NFTを売買する方(特にOpenSeaを使っている方)に対しての注意喚起記事です。
僕のメルマガ読者の方から、1.5ETHの詐欺被害に遭ったと相談を受けました。
OpenSeaのバグを悪用した詐欺手法です。
知らないと誰でも引っかかるかも知れない手法なので、しっかり読んで対策しておいて下さいね。

背景を説明

今回被害に遭った方はNFTの投資家の方です。期待値が高そうな新規プロジェクトを見つけて、リリースの初期段階で安く買い付け、それを価格が伸びた頃合いで売ることによって利ざやを得ようとしていました。
新規プロジェクト開始時は、期待値が高いプロジェクトだと価格が一気につり上がる事があるので、世界中の投資家との取り合いになります。
今回は、入札早押し合戦の最中に起きた被害でした。

どんな詐欺手法か?

OpenSeaで、価格設定してリストされているNFTを買う際に、直前に価格がすり替えられる手法です。
特定のコレクションが危ないわけではなく、どのNFTでもしかけられる詐欺手法です。
順を追って説明します。

1.コレクション画面

OpenSeaのコレクションの画面です。この中から、オークション形式では無く、値付けして出品されているNFT(リストされているNFT)を買いたいとします。
0.15ETHで出品されています。これが安いから買いたい!
この項目をポチります。

2.NFT個別の画面

クリックすると、個別画面に飛びます。
ここの値付けを確認します。
下記はデモ画像なので0.15ETHになっていますが、ここの値段が、違う場合があるので注意です!
今回の被害者の場合、1.5ETHにすり替えられていたようです。
焦って購入したため、すり替えに気がつかず、そのまま購入してしまったということです。

3.実際の被害記録

こちらが実際に落札したNFTの履歴です
関連:今回犯罪に使われたNFT(OpenSea)

被害者の敗因は”焦り”

そんなの間違えないだろ!って思うかも知れませんが、人間、焦っているときは普段やらないミスをします。
それに、値付けがこの一瞬で変更れているなんて、普通考えません。
これが被害にあったウォレットのログです。
直前に、0.155ETHの品を購入しようとして失敗。誰かに先に買われたと思われます。
そして焦って次に安い品を購入しようとした、だから価格を念入りに確認せず、被害に遭ったわけです。

詐欺手口の解説

今回の被害は、OpenSeaのバグを利用したものです。
値付けを変更した場合、コレクション一覧画面でそれが反映されるまで数分~数十分のタイムラグが発生することが確認されています。
なので詐欺師は、まず最安値で出品し、すぐに価格のケタを1つ繰り上げます。あとは数分間入れ食いタイムです。
数分のうちに魚が食いつくのを待つだけです。
凄く人気のプロジェクトのmintとかだと購入者が最安値に殺到するので、高確率で”釣れる”のではないでしょうか。

被害を防ぐ方法

価格を念入りにチェック

個別のNFT画面ではタイムラグがゼロなのか?
そこも怪しいと思った方が良いでしょう。
BUY NOW」ボタンを押した後も、チェックしたほうが良さそうです。
Confirm checkout」ボタンを押す時、そして最後のメタマスクで「署名」をする時、ダブルで確実に価格をチェックするしかありません。

ウォレット内に大金を入れない

どれだけ気をつけていてもヒューマンエラーは起こります。
被害を確実に防ぐには、1ETH以上ウォレットに入れておかないという対策が有効です。
メタマスクは、同じアカウントないでウォレットをいくつも量産できます。
サブウォレットを作って、そちらに貯めておいて、決済用アカウントには少額しか入れておかないという運用をしている投資家もいるようです。

詐欺手口の情報提供を、お願いします

他にもこんな詐欺手法があるよ!
という情報も、募集しています。
日本人もリテラシーを上げて財産を守らないと、NFT先行者である海外の詐欺師達にどんどん資産を吸い取られてしまいます。

※追記

仮に日本刑法の詐欺罪を適用するとして、欺罔行為や任意財産交付などの構成要件要素は満たすものの、”故意”の立証が困難です。
ただ値付けを変えただけと言われればそれまでですから。
しかし、それは他の詐欺罪でも同様で、同様の行為を他にも多数繰り返している場合は、それらを包括して故意が認定される例もあります。
まあ、しかし資金洗浄されて犯人の特定がまず困難でしょうね。
人類には仮想通貨は早すぎる。

かねりん代表取締役/創業者

投稿者プロフィール

Web3業界を幅広くリサーチし分析を行っている。
2017年頃から暗号資産業界に通じ、国内外でWeb3関連プロジェクト・イベント等を多数手掛ける。
各種SNS、Voicy、メールマガジン、オンラインサロン運営等を通じてWeb3に関連する情報発信を毎日行っている。

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