僕たちの失敗~今ならこう売る

おはようございます。手数料研究家のヒヨコロです。🐤

今日は、たまたまNFTの世界で大口投資家になれてしまった一般人のための出口戦略についてお話します。

現在NFTを売買している人は日本で1万人程度と言われていて、つまり1万/1億2000万=0.0083%というすごくレアなキャラということになります。キャズム理論でいうところの「超々イノベーター」であります。

もしあなたがNFTを売買している人なら、この先、思いがけずNFTの大口投資家になってしまう可能性は十分にあると言えます。

しかし、「宝くじに当たったら人生が狂った」という話をよく聞くように、慣れない大きなお金を持ってしまうと、その扱いに失敗することもまた多いです。

先日、「CNPを100体一気売り」という日本のNFT界を揺るがす事件が起きたこととも関係しますが、人のことをいうとアレなので、自分が深く後悔していることについてその経緯をお話し、今後同じようににわかの大口投資家になった人のためになるように、「どのように売るか」についてお話をしたいと思います。

僕の失敗~背景

僕はCNPについてすごく大きな間違いをしていました。それは「CNPはCryptoNinjaの派生コレクションであり、本家の時価総額を超えることはない」というものです。CNP価格はだいたい0.1 ETHが天井だと考えていました。2022年9月現在のCNP価格は0.85 ETHですので、どれだけ予想が下手なのか、でもそれには理由があります。

その理由を説明するために、本家の「CryptoNinja」の歴史をさかのぼります。

2021年の9月に開始した「CryptoNinja」は、わずか数か月で1体10 ETHくらいで取引される人気プロジェクトになりました。「最高額の入札者が購入できるとは限らない」すごく変わった入札方式で人気なのは喜ばしいことなのですが、一般ユーザーには手が届かない、ごく一部の人たちのためのものとなりつつありました。

2021年の12月、おにぎりまんさんがイラストを担当された「Tokyo Pop Girls Collection」というコレクションがありました。こちらは1点 0.2 BNB(当時約120ドル=13,400円)で3,000体のジェネラティブ(数点の部分的なイラストをもとに機械で生成された)コレクションでした。4時間くらいで全数売り切れる大盛況で「一晩で4,000万円稼いだNFT」として大きな話題となりました。

その頃のCryptoNinjaは約20体ほど発表されていて、1体あたり10 ETHくらいで取引がされていました。つまり時価総額は約200 ETH(2021年12月のレートで約8,000万円)程度といえます。そんな中、「CryptoNinjaは高価すぎて一般人には手が出ない、CryptoNinjaの派生コレクションを作ってもっとNFTを手に入れやすくしよう」という考えがコミュニティ内で生まれて育ってきました。

それが「CryptoNinja Partners=CNP」です。

日本のトップクリエイターであるおにぎりまんさんでさえ3,000体であるのに、CNPはなんと22,222体という多数の個体をリストする計画でした。そして、価格は0.001 ETH、そして廉価版であるにも関わらずPolygonではなくイーサリアムで販売するためガス代の方がずっと高くなってしまいます。何もかもが当時の常識ではあり得ない設定でしたが、それには理由がありました。

  • 初心者が初めて手にするNFTとなる
  • TwitterのプロフィールになるNFT
  • 高品質、低価格
  • ホルダーが仲間になれる

「NFTを始めたばかりの人が安価で買える高品質なコレクション」という位置づけだったのです。ここ重要です。

CNP価格の見積もり

おにぎりまんさんのジェネラティブ(4,000万円)と、CryptoNinja(8,000万円)という日本のトップコレクションの事例から、日本のNFTコレクションのポテンシャルは、どんなにうまくいってもおよそ8,000万円とのおおまかな見込みを僕はたてました。

それをCNPの個体数 22,222で割ると一体あたり3,600円、CNPが発売された5月当時のレートで約0.014 ETHです。それくらいが最高価格で、おそらく0.01 ETHくらいに落ち着くだろうと見込みをつけました。

CNPを計画していた時期の平均のガス価格は60 Gweiくらい、1回のトランザクションにはおよそ0.005 ETH(当時のレートで約2,000円)くらいがかかってくると見込まれていました。

この価格はどういうことかというと、仮に0.001 ETHで買って、想像どおりの上値で売り抜けることができたとして、往復のガス代でようやくトントン、利益を出すにはそれ以上の価格にならないといけないというものでした。

つまり、CNPの短期トレードでは儲けられないのです。あくまで初心者のために安価で用意された高品質なNFTということです。

まあイラストはすごくかわいいし、ベースデザインもRii2さんなのでクオリティは本家と同レベル。初心者にとってはずっと持っていたいすごく良いNFTという位置づけだったと思います。短期トレーダーからはあまり注目されませんでした。

プロジェクトリーダーのroadさんやマーケティング担当のイケハヤさんなどド中心にいた運営側も、当時は同じように考えていたはずです、それでないと「ミント数の制限なし」という設計はあり得ません。そして、市場にしても「ボットを投入しない」という選択はあり得ません。みんな同じように考えていたはずです。

「このプロジェクトは利益目的ではない、安すぎてガス代に負ける、少なくとも短期的な収益はうめない」

誰もがそう考えていました。

CNP発売開始

販売日を迎えた当日、市場は歴史的な下げ相場を迎えていました。5月4日に $2,941 だったETH価格は、1週間後には$2,000 を下回り40%近く下げていました。(上の図参照) 悲鳴が聞こえるレベルの歴史的な下げです。販売日を数日後にひかえたこの下げは、おそらくですがCNPにとっては良い方向に働いています。

まずガス代が安くなりました。特に5月15日の販売日は下げもひと段落して相場が凪状態で取引が少なく、20 Gwei そこそこという安さでした。おかげで1トランザクションあたりのガス代は0.002 ETH(500円)くらいになりました。

そんな偶然も手伝って、CNPのミントは進みました。僕は「もしかしたらプライベートセールを待っている『はじめて』の人たちにまわらないかもしれない」と思い、18体でミントを止めています。

Etherscanを見ればすぐにわかるので、数百体ミントしている人が複数人いるのは気づいていました。「やめてほしいなぁ」と思いましたが止めることはできません。

ここが胸のざわつき、もやもやの始まりでした…。

「あなたのはじめてに…なれないかもしれない」

特にクリプトリテラシー検定合格者である「crypto-univ」のメンバーには顔向けができないと感じていました、僕は18体のうち11体を「crypto-univ」のメンバー、「CNPがはじめてのNFT」である人などにGiveawayしました。

CNPを大量購入し売却

その後、市場の異様な盛り上がりを感じ、僕は0.03 ETH付近で81体買い入れます。合計3 ETHほどです。

あれ、僕はさっきCNPの適正価格は0.01 ETHくらいだと言っていましたよね。ということは0.03 ETHは実力以上の高値がついているという判断のはず、それなのに、なぜ売りではなくて買いなのか。

「こんなものではない、0.1 ETHくらいになってもおかしくはない」と考えを変えたのです。

なぜなら、ヤフーニュースになったり、Twitterのトレンドに入ったり、そして極めつけは海外の有名ホルダーが入ってきたりしたからです。おそらくDAOメンバーのマーケティングがあったのだと思います。CryptoNinjaには海外の有力なホルダーもいますから。

日本では数千万円が最高峰ですが、海外では数億円、数十億円というコレクションがたくさんあります。そうなると「0.1 ETHくらいになってもおかしくはない」のです。仮にCNPが1体0.1 ETHになると時価総額は2222ETH(約6億円)です!

それから数日、忘れもしない土曜日の仕事中、CNPがとうとう0.1 ETHに達しました。
仕事の休憩の合間を縫って僕はCNPを売ります。リストしたら一瞬で売れます。次のリストは同額ではなく少し高い価格になります。0.1 ETHの次は0.11 ETH、0.12 ETHと、面白いように出せば出すだけ売れました。

そんなこんなで数日かけて売り終わると、12 ETHくらいが手元に残りました、およそ9 ETHの利益です。最後のCNPは0.3 ETHくらいで売ったと記憶しています。

うまくやった! すごい利益をだせた! 確かにそれはそのとおりですが、現在のCNP価格は0.85 ETH、もしかして夢の1 ETHの大台達成も視野に入っている状況です。これは客観的に考えるとあまり得策でない売り方をしたと言わざるを得ません。

あわてる乞食はもらいが少ない

まさに「あわてる乞食はもらいが少ない」を地でいってしまったのです。後悔はしないようにしていますが、今後のために少し考えをまとめておきたいと思います。

プロジェクトの見極め

日本一の規模でしっかり活動をしている、しかも今後の展開も活発に議論されていて誰もが見放す気配がない、という時点で、すべての計算をやめるべきでした。どうせ損しても3 ETHですし、百歩譲って、原資のうちいくらかを回収したらあとは未来に期待をしてガチホしておくべきでした。

プロジェクトの価格ではなく、活動内容と中身を見るべきでした。

こんな未来もあった

これは結果論です、いやですね見苦しい。でも、例えば原資回収して50体手元に残ったとしたら、1か月に1体ずつ売るというのもありますね。今では1体25万円くらいでしょうか、十分余裕のある暮らしで4年くらいは生活できそうです。あぁ…😂

すぐに大金が必要になったら

これは運営に相談すれば、大口なら一般の投資家とは別の道があります。

なんせ運営は大口の売りは避けたいと常に思っています。自分たちの大事なコレクションの価値に影響するからです。

これは「フロア価格より上で売ればいいでしょ」という問題ではありません。NFTの投資家は常に市場を数値化、ビジュアル化しています。これは株式投資やFXで指値注文を経験している人ならわかると思います。「売り板が厚い」というやつです。

フロア付近で大量に売りを出す⇒売り板が厚くなる⇒価格上昇が見込めない⇒悲観したユーザーがフロア以下で売りに出す⇒売りが売りを呼ぶ

わかりにくいかもしれません、例えば今現在のOpenSeaに出ているCNPの価格を度数分布のグラフにしてみましょう。

0.85がフロア価格で、2体ほど、0.86が4体、というふうに売り場に並んでいます。1.0 ETHというところに高い壁がありますよね。キリのいい価格だから置いている人が多いのかもしれませんが、これは価格にとても大きな影響を与えます。つまり、ちゃんと分析してこの図が見えている人は「今買っても1 ETH以上には上がりそうにないな」という心理になります。つまり、取引価格はその10%下、0.9くらいから上にはあがりにくいということです。

ここで、この図が見えていない人が「フロア価格より上だったら迷惑はかからないだろう」とドーンと100体くらいフロア価格ちょい上でリストしたとします、するとこんな図に変わります。

0.85 ETH付近にドーンと高い壁が現れました。これまで0.85~0.86付近で出品していた「今すぐ売りたい人」たちはこの価格では売れないので、下げてきます。

そして、0.8くらいで買おうと思う人はいなくなります。当然ですよね、このコレクションは10%がロイヤリティなので、0.85 に高い壁が見えていたら、そこから10%引きがスタートラインです。

つまり普通の投資家なら0.76 ETHくらいから上で買おうと考える人は少なくなり、それ以下にフロア価格が落ち、売りが売りを呼び、どんどん価値が下がっていくのが普通です。

そして何より悲しいことに、0.85付近でドーンと100体売りに出した人の個体は売れないんです。

「あれ? 迷惑はかけないようにしたはずなのに……フロア価格下がっちゃった、しかも自分が売りに出したやつは売れない、なぜ?」といっても後の祭りになってしまいます。

だから、すぐに大金が欲しくなったら、このような一気売りは絶対に避けるべきです。

ではどうするか? 運営、もしくは大口の投資家を頼るのです。つまり、このコレクションの価値を下げたくない人たちを頼るのです。

おそらくいくらかは相談に乗ってくれるはずです。なぜかって、普通に100体ドーンと出されるとコレクションの価値の既存に直結するから、それならまあ、いくらかは直接運営費で買い上げてもいいと考えます。しかも、直接取引であればロイヤリティやOpenSeaの取引手数料がかからないので、10%以上もお互いにとってお得な取引となります。

余談

余談ですが、今回の「100体ドーン事件」でなぜ上のような値崩れが起きなかったのか、その理由についてお話ししておかないといけません。

これは100体ドーンした方の「運営とホルダー側の危機感を全く感知しない言動」がCNP運営陣と大口投資家たちの怒りを買い、その怒りが彼らを一致団結させ購買運動を呼んだからです。

普通ならコレクションの危機で、僕が運営していたらたぶんコレクションは終わっていたと思います。いろんな奇跡が重なって価格は維持され、むしろ絆の力が高まって勢いづいたような形になっています。

一部で「NFTを自由に売ってはいけないのか?」という疑問もありましたが、売っていいんです。自由に売っていいんです。だけど100体一気にリストしたら、売れない上に、そのコレクションの価値がなくなりますよということなんです。

自由ってそういうことなんです。

思い出

2022年になったばかりの頃だったと思います。NinjaDAO内で「ジェネラティブNFT」という遊びが流行っていました。数点のイラストや文字をランダムに組み合わせて数百点の絵柄を自動的に作成するプログラムがあったのです。

この図柄とコレクション名を見るに、バレンタインの頃だったでしょうか。特に真ん中のキャラがチョコではなく爆弾を抱えていたこと、その意味不明なセリフ、本来のキャラと真逆なサイコパスさが仲間内で大爆笑で、みんなで腹をかかえて笑い転げたことを思い出します。確か1体5 MATIC(600円くらい)とかだったでしょうか?

残念ながら二次流通は流行りませんでした。でも、いま思い返しても幸せな経験で、ほんとに良いコレクションでした。

古参のコミュニティメンバーの根底には「ほんチい」が住んでいて「日曜日のマクドナルド」のような幸せの象徴になっている、と勝手に僕は考えています。

まとめ

  • NFTの価格は計算が成り立たないこともある
  • 見極めのポイントはプロジェクトの活動の中身
  • 売るときは市場を見ながら小出しに
  • CNP価格を支えているのは「ほんチい」かもしれない

ということで今日はこのへんで。これから大量にNFTを売ろうとしている人の何かの参考になりましたらうれしいです。

それではまた、DeFi~(@^^)/~~~

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